東京, 2025年3月12日 - (JCN Newswire) - 三菱重工グループの三菱重工エンジン&ターボチャージャ株式会社(MHIET、社長:古殿 通義、本社:相模原市中央区)はこのほど、相模原工場内の500kWクラス水素専焼エンジン発電セット(注1)実証設備において、水素100%燃料を用いた運転での定格出力(435kW/1,500回転)を達成しました。今後、安全性や信頼性の評価を進め、製品化に向けたプロセスを加速していきます。
実証試験は、MHIETがすでに水素100%で安定燃焼できる技術を確立している単気筒エンジンではなく、実際の製品を想定した水素専焼エンジン発電セットを使用している点が特徴です。新たに自社で設計・製造した6気筒500kWクラスの水素専焼エンジンを搭載し、また水素の特徴(注2)に対する安全機能を追加した補器類を備えた発電セットで、エンジン・発電機・補器類を含むシステム全体の検証を実施してきました。
今回、エンジンの起動から定格出力までの発電、および停止動作までの実際の発電セット製品同様のシーケンスで、一連の動作をすべて水素100%燃料で安定的に運転可能であることや、異常時の保護機能などが有効に機能することを確認しました。MHIETは、水素専焼エンジン発電セットの設計、製作、実証に至るまでの工程を自社工場内で一貫して遂行する開発サイクルを構築しており、一連の実証試験で得た結果を迅速に製品に反映することが可能です。今後の製品化に向けて、信頼性評価や安全性評価を引き続き実施します。
レシプロエンジンは、その機構上、さまざまな燃料を燃焼させることができ、低・脱炭素社会の実現に向けた燃料転換(エナジートランジション)においても、重要な役割が期待されています。中でも水素専焼エンジンを用いた発電セットは、純水素を燃料とすることで、燃料の燃焼によるCO2を排出することなく、分散型電源の脱炭素化に貢献可能です。MHIETは製品化に向けたプロセスを加速し、水素利用拡大による脱炭素社会実現を目指します。
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