2016年11月16日 11時10分

Source: NEC Corporation

NEC、5G向け28GHz帯超多素子アンテナシステムを開発
高周波数帯で長距離通信を低消費電力で実現

東京, 2016年11月16日 - (JCN Newswire) - NECは、次世代無線通信規格5Gの実用化に向けて、28GHz帯対応の基地局用超多素子(約500素子)AAS(Active Antenna System)を開発しました。

今回開発したAASは、多数のアンテナ素子を用いて同時に複数の方向(対象)に集中的に電波を飛ばすビームフォーミングにより、高周波数帯の28GHz帯で16方向に各々最大1kmの長距離通信が可能です。また、NEC独自の技術により従来比、数十ワットの省電力化(注1)、50%の小型化(注2)を実現しています。

NECは、「社会ソリューション事業」に注力しており、SDN(注3)/NFV(注4)と5Gを連携させた高度なソリューションを開発・提供することで、今後も通信の高速化やサービスの高度化を実現し、通信事業者が提供するサービスの発展に貢献します。

背景

昨今、4K/8Kの映像配信やAR(Augmented Reality:拡張現実)、VR(Virtual Reality:仮想現実)などの普及に伴い、高速大容量通信サービスのニーズが高まっています。これらのサービスに対応するモバイルネットワークを構築するためは、高周波数帯を活用することで、広い帯域幅を確保し、大容量通信を実現することが有効です。一方、高周波数帯は、電波の減衰が大きいため長距離通信が難しいことが課題です。
この課題に対応するためには、複数の電波を束ねて長距離通信を実現するビームフォーミングが有効です。NECは、高周波数帯を使ったマイクロ波通信システムの開発で長年培ってきた、実装・放熱などの回路設計技術を活用することで省電力・小型なAASを実現しました。

特長

1.高周波数帯での長距離ビームフォーミングを低消費電力で実現
精度の高いビーム形成を可能にするフルデジタル制御には、アンテナ素子数と同数のデジタル信号とアナログ信号の変換機、周波数変換器が必要です。そのため、超多素子AASの場合、変換機の数が多くなり、システム全体の消費電力も高くなります。NEC独自の省電力技術により、これら変換機の数十Wの省電力化を実現しました。また、フルデジタル制御により、精度の高いビーム形成を実現したことで、NEC社内でのシミュレーションにおいて、16方向に最大1kmの長距離通信、通信エリアあたり30Gbps以上の通信速度、LTEと比較して通信エリアあたり20倍以上の高い周波数利用効率の実現性を検証しました。

2.独自の実装・放熱技術により小型化を実現
NEC独自の実装・放熱技術により、約5mm間隔でのアンテナ素子の実装と放熱経路の確保を実現しました。これにより、従来比で50%以上の小型化を実現し、設置の容易性・柔軟性を実現しています。

なお、NECは株式会社NTTドコモと共同で、5Gの実現に向けて、本製品を活用した実証実験を行う予定です。
また、11月17・18日に開催される「NTTドコモR&D Open House」にて、本製品の展示と5Gに向けた取り組みを紹介します。

NECグループは、安全・安心・効率・公平という社会価値を創造する「社会ソリューション事業」をグローバルに推進しています。当社は、先進のICTや知見を融合し、人々がより明るく豊かに生きる、効率的で洗練された社会を実現していきます。

本リリースの詳細は下記URLをご参照ください。
http://jpn.nec.com/press/201611/20161116_01.html

(注1)2016年11月16日独自の省電力技術を採用しなかった場合との比較
(注2)2016年11月16日独自の実装・放熱技術を採用しなかった場合との比較
(注3)Software-Defined Networking:ネットワークをソフトウェアで制御する概念
(注4)Network Functions Virtualization:ネットワーク機能の仮想化

概要:日本電気株式会社(NEC)

詳細は www.nec.co.jp をご覧ください。

本件に関するお客様からのお問い合わせ先
NEC テレコムキャリア企画本部
TEL: 03-3798-6141

Source: NEC Corporation
セクター: メディア, IT

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